■ずんだもんのUberEats①
ずんだ「ぼくの名前はずんだもん。フーデリ配達員として働いている賢くて優秀なずんだの妖精なのだ!」
パイセン「よう、ずんだもん! 相変わらず一本320円のミツオ拾いに精が出るな」
ずんだ「あ、パイセン! おはざすっ! けど、ミツオ拾いはお互い様なのだ!」
パイセン「それはどうかな? すんだもん、これを見てみろ」スッ
ずんだ「なになに、『すごくスゴイnote』? 何なのだこれは!? よくわからないけど、すごいことが書かれていそうなnoteなのだ!」
パイセン「有名フーデリ配達員のデビルあくまさんが書いたnoteだよ」
ずんだ「わー、クーポン券みたいな名前!? 悪が渋滞してしまっているのだ!」
パイセン「チゲ鍋みたいな名前だけど、これを読めば始めたばかりの配達員でも爆釣間違いなしなんだって」
ずんだ「どんなことが書かれているのだ?」
パイセン「デビくま氏曰く、乗り物は『TB1eで万全』!」
ずんだ「TB1eって確か電動のクロスバイクなのだ? 初心者とかすぐに辞めるかもしれないから普通のクロスバイクにしておいた方がいいと思うけど」
パイセン「軽量化するため、それを敢えてバッテリーなしで稼働するのが通の配達職人らしい」
ずんだ「もはやなんの意味もないのだ」
パイセン「他にも『土砂降りは勝利!』、『世はなべて320円』、『マック地蔵不許可』、『頭上のカラスは敵だ』などたくさんのありがたい格言が書いてある」
ずんだ「何だかよくわからないけど、だいぶ偏った意見のような気がするのだ」
パイセン「そんなわけでオレは、このデビくまさんの金言を胸にマグロ釣りに行くぜ! じゃあのっ!!」ピュー
ずんだ「行ってしまったのだ。こんなクソnoteに騙されるなんて、やっぱりパイセンはアホなのだ。けどこのまま普通に稼働していてもジリ貧。ボクも少し稼げるやり方を考えるのだ」
????「ふふふ。フーデリ配達で何かお困りのようですね、そこのお豆ちゃん」ニュルッ
ずんだ「わわっ! マンホールの下から誰か出てきた!? お前は何者なのだ?」
ザワエル「私はフーデリ情報商材屋のホワイトザワエルだ」
ずんだ「わー、ホワイトなのにグレーな名前!?」
ザワエル「そんなわけで、とりあえずLINE交換しようか」
ずんだ「距離感が苦手! グレーな情報商材を売りつけられるだけだから交換しないのだ!」
ザワエル「私が売っているこの不正ツールを使えば、半径2km圏内のリクエストを独占することができますよ」
ずんだ「よくわからないけど、それは犯罪だからダメゼッタイ!」
ザワエル「じゃあ、『ルナキャン』のやり方とか知りたくない?」
ずんだ「ルナキャンは知ってるけど、あれは身も蓋もないただのピック後キャンセルなのだ!」
ザワエル「るなキャン△」
ずんだ「ゆるキャン△みたいに言ってもダメなのだ! 垢停になるようなことする奴はクズ。はっきりわかんだね」
ザワエル「わかりました。それではとっておきの『ザワエルメソッド』をあなたに教えてあげましょう」
ずんだ「ザワエルメソッド?」
ザワエル「はい。この方法を使えば1回の配達で100円から500円の増益が見込めます」
ずんだ「それはどうやってやるのだ?」
ザワエル「まずは普通に配達して頂きます。そして届け終わったら配達完了せずに配達中の状態で次のリクエストをぶらぶらしながら待ちます。そして次のリクエストを受けたら加盟店まで行き、商品を受け取った時点で前回の配達を完了と今回の受け取り完了を押します。後はそれを繰り返せば水増しされた調整金によって、まるで魔法のように報酬がじゃぶじゃぶ増えていくのです!」
ずんだ「…………。あー、そーゆーことね。完全に理解したのだ」キリッ
ザワエル「つまりわかりやすく言うと、このザワエルメソッドを使用していただければ、配達から次の配達までの隙間時間にも報酬を得ることができるし、何ならおやつのずんだ餅を食べている間も報酬が発生するということです!」
ずんだ「おー、ずんだ餅サイコー! まさに発想が天才のソレっすね!」
ザワエル「ということで、このザワエルメソッドはいかがですか?」
ずんだ「その情報買ったのだ! はい、代金の320円!」ワオン!
ザワエル「WAONでのお支払いありがとうございます。それではまたのご利用お待ちしております」シュッ
ずんだ「またマンホールの中に消えていったのだ。そういえばあの商材屋さん、下水臭というかウン○の臭いがしたのだ……」
そんなことで臭いはさておき、早速ザワエルメソッドを利用し稼働するずんだもん。すると効果てきめんで一日の売り上げは、今までの2倍近くにまで膨れ上がりました。
―――そして一週間後。
ずんだ「ふははははっ! 上級配達員のボクが今日も配達を開始するのだ! ウボーン!!」
パイセン「どうした? ずんだもん。今日はやけに元気じゃないか」
ずんだ「あ、底辺パイセン。こんちゃす!」
パイセン「今、悪口言わなかった?」
ずんだ「たぶん空耳なのだ。それよりもパイセン、ボクのリザルトをとくと御覧じるのだ」
パイセン「うわっ! 何だこの売り上げは? まさかずんだもんもデビくま教に改宗したのか!?」
ずんだ「悪魔の力は借りないのだ。ボクがやっているのはザワエルメソッドっていうやつで、具体的な内容はかくかくしかじか、おまめまめなのだ」
パイセン「いやザワエルメソッドは知らないけど、それって調整金詐欺ってやつだろ? 運営にバレたらまずいんじゃないのか?」
ずんだ「グレーな行為はアウト……、そんな風に考えていた時期がボクにもあったのだ」
パイセン「まあ、背が低い奴は調整金詐欺しがちだからしゃーないか」
ずんだ「身長は関係ないのだっ!!」←身長143㎝(非公式)
パイセン「まあ、ほどほどにしないと後で泣きを見ることになるかもしれないから気をつけなよ。オレはクジラを釣りに行くぜ! じゃあの!!」ピュー
ずんだ「むむむっ! 負け犬セルランドパイセンの言うことなんて無視すればいいのだ。フォロワーさんたちはトゥイッターに上げたボクのリザルトを見て称賛しているはずなのだ」スマホクイッ
―――フォロワーの反応。
投稿者A「調整金詐欺やってるやつは迷惑でしかない」
投稿者B「しわ寄せがまじめな配達員にくるからマジでやめろ」
投稿者C「腐れ豆は氏んでどうぞ」
投稿者D「こいつ豆しばのパクりじゃね?」
投稿者E「座高たかそう」
ずんだ「クソボケがっ!! 何で上級配達員のボクが叩かれているのだ! こうなったら目にもの見せてやる!」
スマホ、ピッポッパッ!
ずんだ「もしもし、イーロン? 開示請求オナシャス」
イーロン「オーケー! ファッキンビーンズ!」
ずんだ「よし。これでこいつらも終わりなのだ。あとリザルトの投稿は全部トゥイ消ししてっと……」デリートー
??「やあ、君がトゥイッターで炎上してるずんだもんくんだね」
ずんだ「うわっ! 壁に寄りかかってる坊主頭のおじさんがいきなり話しかけてきたのだ!?」
中川「私はフーデリ会社代表の中川センターリバーです。どうもはじめまして」
ずんだ「わー、川沿いリバーサイドみたいな名前!? だけど、どうしてずっと壁に寄りかかって腕組みしてるのだ?」
中川「それはつまり、このポーズがかっこいいからだね」
ずんだ「千原せいじ似なのにナルシストで草」
中川「なんか言った?」
ずんだ「心の声が漏れてしまったのだ」
中川「まあそんなことより、君のトゥイッターは拝見させていただきましたよ。調整金詐欺をされているようですね」
ずんだ「それは一体何のことなのだ? ボクはここ最近トゥイートしていないのだ」
中川「トゥイ消ししても無駄ですよ。君のこの一週間のトゥイートは全てスクショ済みです」バーン
ずんだ「やばいやばいやばいやばい!」アセッ
中川「君のトゥイートを監視していたおかげで、調整金詐欺に手を染める不良配達員どもを一掃することができましたよ」
ずんだ「えっ!? もしかしてボクは泳がされていたのだ!?」
中川「君のような勘のいい枝豆は嫌いだよ。ずんだもんくん、あなたのアカウントを停止いたします」ポチッ
ずんだ「それだけは勘弁してほしいのだー!!」
スマホ「ぴえんこえてぱおん なので ずんちゃんさんの垢は えーきゅー停止しか勝たんから 今まで397からの320ってことで じゃあの!」スゥー
ずんだ「うわーんっ! どうしてボクがこんな目に合わなくちゃいけないのだ! 調整金詐欺はもうコリゴリなのだぁ!!」
ちゃんちゃん。
ずんだ「最後までご視聴ありがとうございます! 高評価とチャンネル登録してくれたら動画づくりの励みになるのだ!」
おわり。よい子のみんなは不正などせずにまじめに配達しましょう!