■バイきんぐのUberEats
小峠「そろそろ頼んでたウーバーイーツが届くころだな。ちょっと外に出て待ってみるか」ガラガラ
ママチャリ チリンチリンチリンッ
小峠「あれ? 西村じゃねぇか! でかいバッグ背負って自転車乗ってるの、俺の相方の西村じゃねぇか! おい待て、西村! おいっ!!」
ママチャリ ブレーキ キキーッ
西村「ああ、どうもどうも!」
小峠「どうもどうもじゃねぇよ! お前何してんだよ!」
西村「お待たせいたしました。ウーバーイーツのお届けです!」
小峠「それは見ればわかるよ。俺は何でお前がウーバーイーツやってるのかを聞いてんだよ!」
西村「いやー、最近暇になっちゃったから副業を始めてみたんすよ」
小峠「いくら暇だからっていっても、それはないだろ。バイトしてるの事務所にバレたらクビになるぞ」
西村「いやいや、むしろ事務所公認みたいな感じだから。SMA所属芸人はみんな結構やってて、アキラ100%とかもやってるらしいよ」
小峠「アキラ100%もやってんの? 芸風が時代にミスマッチしてるから、副業でもしないと大変なんだな」
西村「大変らしいよ。おぼんで股間隠しながら配達しなきゃいけないし」
小峠「配達中は服は着せてやれよ! いよいよウチの事務所からも逮捕者が出ちまうぞ」
西村「後はハリウッドザコシショウとかもやってるね」
小峠「へぇ、ザコシショウもウーバーイーツやってんの?」
西村「レスラーパンツとテンガロンハットだけだから寒くて大変なんだって」
小峠「だから服は着せてやれって! 何でウチの事務所は裸の芸人しかいないんだよ」
西村「『裸一貫で頑張ります!』って坂口杏里も言ってたから」
小峠「うるせーよ!! 何、俺のこといじってくれてんの? 裸一貫の意味が違うんだよ!」
西村「ああそういえば、裸じゃない人もウーバーイーツやってたな」
小峠「あれだろ? どうせコウメ太夫とかだろ」
西村「コウメ太夫はウーバーイーツなんかで働きたくないって言って、家でスマホゲーばっかりやってるから違うよ」
小峠「あいつぶん殴ってやりてぇな。番組の企画だって言って騙して強制的に働かせろ。それが国民の義務だ!」
西村「まあコウメ太夫はいいとして、ウチの事務所の俳優部門でもウーバーイーツやってる人がいるんだよ」
小峠「俳優部門っ!? 誰よ?」
西村「土屋太鳳」
小峠「は、太鳳ちゃん? マジかよ!?」
西村「いや、服は着てるよ」
小峠「当たり前だよ!」
西村「けど、フィットネスジムにいるエロいお姉さんみたいな恰好で配達してたな」
小峠「嘘だろ!?」
西村「フィットネスジムにいるエロい女みたいな格好ででかいバッグ背負って、『これから配達に行きます!』ってSNSに投稿してたような気がする」
小峠「フィットネスジムにいるエロい女みたいな恰好ででかいバッグ背負って、『これから配達に行きます!』ってSNSに投稿できるのは全く売れないグラビアアイドルの特権だろ!」
西村「そうかな?」
小峠「そうだよ! それで配達3件くらいやって、『配達終了、お疲れ様! 今日は頑張った自分へのご褒美にバナナジュース買いました!』っつってSNS投稿するのがお決まりのパターンなんだよ。太鳳ちゃんみたいな一流の女優さんがそんなことするわけねぇだろ!」
西村「確かに一流女優はそんなことしないけど、S級女優は割とそういうことするから問題ないでしょ」
小峠「大問題だよ!! 何だよS級女優って!? 何を引き合いに出してんだよ!」
西村「SS級女優レベルになるとしないけど、S級女優はそういうことするんすよ」
小峠「知らねぇよ!」
西村「ちなみに坂口杏里はD級......」
小峠「黙れっ!! 舌抜き取るぞ、テメー!」
西村「けど、そのSNSの投稿見たら少しおかしかったんだよなぁ」
小峠「何がおかしかった? もうおかしいことだらけで、俺は息が苦しいよ」
西村「太鳳ちゃんだよなぁと思って見てたんだけど、よく見たら丸山礼のアカウントだったっていう」
小峠「お前、目玉腐ってんのか!? 人間とバナナの遺伝子は50%が一致するらしいけど、土屋太鳳と丸山礼の遺伝子は常識的に考えて0.5%も一致しないんだよ!」
西村「そうは言うけど、この合掌してる丸山礼の画像見てくださいよ」スマホ スー
小峠「まあまあ......。確かに雰囲気は似てるけど、それを認めたら俺は事務所から消されちまうから、もう商品置いて帰ってくれるかな?」
西村「商品?」
小峠「そうだよ。お前、俺が頼んだ吉田屋の商品持って来たんじゃねぇのかよ」
西村「ああ、そうだそうだ。どうも、ウーバーイーツです! 商品のお届けにあがりました!」
小峠「うるせーな。早く寄越せ!」
西村「本日ご注文いただいたのは、吉田屋のうな丼ライス大盛ですね!」
小峠「ああ、そうだよ」
西村「小峠さんも牛丼屋のうな丼とか頼むんすねー」
小峠「お前が俺のことを小峠さんって言うな。気持ち悪い」
西村「鰻食べて、精力つけちゃう感じですか? 今夜はお楽しみですね」
小峠「めんどくせえから早く帰れって!!」
西村「はいはいー。まいどー」バッグセオイー
小峠「まったく、我が相方ながらほんと鬱陶しい奴だわ」
西村 ボー
小峠「......おい!」
西村 ボー
小峠「おい、西村! おいっ!!」
西村「......はい。何すか?」
小峠「何すかじゃねぇんだよ! 用が済んだら早く帰れって言ってんだよ!」
西村「いやー。自分もデリバリー頼んでて、もうすぐここに来ると思うんですけど」
小峠「何でお前が俺んちをデリバリーの届け先に指定してんだよ! 俺のことが大好きなのか!?」
西村「俺が大好きというか、小峠さんが大好きな商品が届くんすよ。折角だから一緒に食べます?」
小峠「俺が大好きな商品って、一体何を頼んだんだよ?」
西村「実はそのとある商品が90%オフになっているのをみつけて、デリバリーで頼んでみた次第です」
小峠「90%オフ!? 何だそのえげつない値引き! 逆に怪しさ100%だろ!」
西村「まあ9割引でも、5万円はするんですけど」
小峠「9割引きで5万円!? 通常価格50万円じゃねぇか! 何頼んだらそんな値段になるんだよ!?」
西村「そりゃあ勿論、全く売れなくて大暴落した件のD級女優のデリヘルの値段すよ」
小峠「いや、なんて日だっ!!!」