■サンドウィッチマンのウーバーイーツ
ぴろりん、ぴろりん!
伊達「お、初めての店が鳴った。......何々、平成納豆? 納豆の専門店って珍しいな。ちょっと興奮してきたから、試しにピック行ってみるか」チリンチリン
うぃーん。
伊達「どうもー、ウーバーイーツでーす!」
富澤「ウーバーさん、こちらお客様用の入口なんですよ! 裏口から入ってくださいってメモに書いてますよね!」
伊達「あ、そうだったんですね。ちゃんと見てませんでした。裏口に回ればいいんですか?」
富澤「そうです。ウーバーの配達員は汚くて臭くて見るに堪えないし、その名を呼ぶのもおぞましいくらいなので客席に入ってきてほしくないんですよ」
伊達「いや、言い過ぎでしょ。こう見えても、身だしなみには気を付けてますからね」
富澤「あっ。今、不貞腐れましたか? 何で不貞腐れたんですか? 警察呼びますよ!」
伊達「そんな大事?? すぐに裏回って、商品受け取るんで勘弁してくださいよ」
富澤「まあ、今はお客さん1人もいないから、特別にここで受け渡しでいいですよ」
伊達「......何だかめんどくせーな(小声)」
富澤「......」ジー
伊達「あ、すみません。ほんと反省してるんで、商品貰っても良いですか?」
富澤「あなた本当にウーバーイーツの配達員ですか?」
伊達「配達員ですよ。こんなでっかいバッグ背負って自転車乗ってる人他にいないでしょ」
富澤「毎日自転車乗ってる人間が、こんなに太ってるわけないだろうが!!」
伊達「やかましーわ! ほっとけよ。痩せにくい体質なだけだから、早く商品ください」
富澤「じゃあ、番号は?」
伊達「93RMMです」
富澤「きゅうさんアールエムエムで、クサリマメでよろしかったですか?」
伊達「いや、そのたまたまの語呂は知らないけど、番号はそうですよ」
富澤「ちゃんと、復唱して貰えますか?」
伊達「はい?」
富澤「クサリマメを復唱してください」
伊達「......クサリマメ。これでいいですか?」
富澤「クサリマメ!」
伊達「......クサリマメ!」
富澤「クサリマメ!!」
伊達「クサリマメ!!」
富澤「クッサリマーメ!!!」
伊達「クッサリマーメッ!!!」
富澤「ちょっと何言ってるかわかんない」
伊達「お前が言わせたんだろっ! こっちがわかんねぇよ!」
富澤「......あれ? ウーバーさん、もしかして一度この店に来たことありますか?」
伊達「いや、この店ピックするのは今日が初めてだけど」
富澤「絶対来たことありますよね? ツイッターのアカウント確認させてください! 警察呼びますよ!」
伊達「情緒不安定か! 何で、すぐ警察呼ぶんだよ!?」
富澤「もしもし、警察ですか? 小太りの男がブツを受け取りに来ました!」
伊達「ブツって言うなよ! 普通に商品受け取りに来ただけなのに!」
富澤「はい、はい。はい、そうです。平成納豆です。毎度毎度すみません」
伊達「毎度毎度って言っちゃってるよ。ほんとにしょっちゅう110番してるんだな」
富澤「チッ。警察どもも忙しいみたいだから、今日のところは勘弁しておいてやる。命拾いしたな」
伊達「そういうのいいから、早くしてくれよ! 商品冷めちゃうだろ!」
富澤「その辺は納豆なんで、冷めるとかは大丈夫です。ただ商品の特性上、豆が腐ってますので早めにお召し上がりくださいとだけお伝えください」
伊達「お客さんにわざわざ腐ってるって言うの? 納豆ってそういうもんだからね」
富澤「へぇ、そうなんですか。お詳しいんですね」
伊達「常識だよ。何でここで働いてて知らねぇんだよ」
富澤「僕なんかバイトの初日に納豆全部腐ってると思って廃棄にしちゃって、店長から滅茶苦茶叱られましたよ」
伊達「そりゃ叱られるだろ。逆によくクビにならなかったな」
富澤「お陰様で、店長から一生ただ働きパスポート頂きました」
伊達「没収して貰え、そのパスポート! もういいぜ」